食事療法

(1) 食事療法とは

食事療法はすべての2型糖尿病の患者さんの治療の基本で、糖尿病または糖尿病の疑いがあると診断されたときから開始します。食事療法により、摂取エネルギー量が適正に保たれ体重をマネジメントすると、インスリンの分泌能力や効きが改善します。このため食事療法だけで良好な血糖管理・血糖マネジメントが得られたり、経口薬や注射薬を使用している場合には薬の量を減らすことができたりします。

(2) 何をどれだけ食べればよいのか

1日の身体活動に必要なエネルギー量(カロリー)を確保すると同時に、適正な体重マネジメントのために過剰摂取にならないようにします。食事から摂取する1日のエネルギー量は、身長・日常の身体活動量・肥満度などをもとに計算します。詳細は主治医に確認してください。

食事の内訳(栄養素のバランス)に関しては、この成分だけを取ればよいというものはありません。バランスのよい栄養素の摂取が大切です。

食塩の過剰摂取は高血圧の原因になり、糖尿病の合併症に悪い影響を与えます。味付けは薄くして食塩の量を減らすことが大切です。糖尿病では、高血圧予防の観点から適正な摂取量(1日に男性は7.5g未満、女性は6.5g未満)に、高血圧を合併する患者さんでは1日に6g未満にすることを心がけましょう。

(3) どう食べればよいのか

食後血糖値を上昇させないため、食物繊維に富んだ野菜を先に食べ、次におかず、最後にご飯などの炭水化物を、ゆっくりよく噛んで食べるなどの食べ方の工夫が必要です。また、朝食の欠食・遅い時間の夕食・就寝前の間食・その他の不規則な食事摂取時間などにも注意が必要です。